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6月6日金曜日。
俺は曖昧な不安とともに目を覚ました。
ベットから立ち上がり、枕もとの時計を見つめ、まだ目覚ましが鳴る3分前だと気づく。
そこで一気に曖昧な不安は、確かな不安へと変化した。
「フッ…金曜ってのはこうにも暗くちゃいけねぇ…。明日の休みに胸躍らなくちゃならねぇ。」
外は雨だった。
台所のいつもの場所に座ると、お袋がいつものコーヒーを差し出す。
一口飲んで、思い出したくもない今日という日を思い出す。
テスト、レポート(やってない)、プレゼン。
ここまでくると悲しみなんてものはとっくに消えている。
俺の気持ち以外、何のへんてつもない朝はこうして始まった。
「行ってくる。」
傘を差し、駅に向かった。
いつも見慣れた人々が、心なしか今日は歩くのが早い。
みな、哀れな俺を見ようとしないようだ。
「所詮、俺は野良犬よ…。」
電車で数駅。
そこからは自転車だ。
いけねぇことだとはわかっている。
だが、今日だけはプレゼンの資料が入った鞄がある。
傘を差し、自転車を進めた。
「俺のことはどうでもいい…。鞄だけは…この鞄だけは守らなくちゃいけねぇ。」
降りしきる雨の中、傘で鞄だけを守り続けた。
学校の前まで、ほぼ濡れてなどいなかった。
俺の少しの油断は、悲惨な状況を招いた。
目の前を横切った幼稚園バスが、見事に俺に水しぶきを浴びせた。
夢と園児を乗せた、あの幼稚園バスが、だ。
俺は釈然としない、裏切られたかのような思いで、駐輪場へと向かった。
「俺にはお似合いの格好か…。なぁ?相棒。」
鞄へと呟いた。
俺もあいつもずぶ濡れだ。
初めの授業は軽く聞き流す。
俺は次にテストが控えている。
そしてテストの科目。
先生が配る問題に、俺の目が見開く。
狂ったように動き続ける俺のシャープペンシル。
激しい筆記問題の応酬だった。
すべての問題を解き終えたとき、俺の右手は既に使い物にならなくなっていた。
「とんだヘマをやらかしちまったぜ…。」
自分の言葉とは裏腹に、俺は落ち着いていた。
危機的状況は、朝から何も変わってはいないのだから。
昼休み。
一人孤独に弁当を貪る。
この休みは休みであって休みではない。
今日はやらなきゃあいけねぇことが多すぎる。
一人の男が俺に向かって歩いてきた。
ジェノバだ。
「シンラ。おめぇさん、そんな体で大丈夫なのか?」
「あぁ。俺は、俺のやれることをするまでよ。」
「フ…あんたってやつは。」
ジェノバは一つ笑みを浮かべてさっていった。
レポート。
午後1時15分〆切。
まだ何も書いちゃあいない。
俺は震える手でペンを取り、レポート用紙に数文字書き込んだ。
「わかりません。」
全力を尽くした俺に、後悔などなかった。
午後の授業も聞き流し。
プレゼンへと備える。
発表原稿などない。
パワーポイントも1時間もかけていない手抜きだ。
だが、やるしかない。
全てが白紙のまま、俺の発表は始まった。
飛び散る汗、振り上げる拳。
俺は力の限り説明しつくした。
終わったとき、俺には余裕すらあった。
先生が去り際、俺に声をかけた。
「よかったよ。」
「礼にはおよばないぜ…。」
そう言って俺は倒れた。
俺がその日、最後に見たのは綺麗な青空だった。
※この物語は50%フィクション50%現実です。
俺は曖昧な不安とともに目を覚ました。
ベットから立ち上がり、枕もとの時計を見つめ、まだ目覚ましが鳴る3分前だと気づく。
そこで一気に曖昧な不安は、確かな不安へと変化した。
「フッ…金曜ってのはこうにも暗くちゃいけねぇ…。明日の休みに胸躍らなくちゃならねぇ。」
外は雨だった。
台所のいつもの場所に座ると、お袋がいつものコーヒーを差し出す。
一口飲んで、思い出したくもない今日という日を思い出す。
テスト、レポート(やってない)、プレゼン。
ここまでくると悲しみなんてものはとっくに消えている。
俺の気持ち以外、何のへんてつもない朝はこうして始まった。
「行ってくる。」
傘を差し、駅に向かった。
いつも見慣れた人々が、心なしか今日は歩くのが早い。
みな、哀れな俺を見ようとしないようだ。
「所詮、俺は野良犬よ…。」
電車で数駅。
そこからは自転車だ。
いけねぇことだとはわかっている。
だが、今日だけはプレゼンの資料が入った鞄がある。
傘を差し、自転車を進めた。
「俺のことはどうでもいい…。鞄だけは…この鞄だけは守らなくちゃいけねぇ。」
降りしきる雨の中、傘で鞄だけを守り続けた。
学校の前まで、ほぼ濡れてなどいなかった。
俺の少しの油断は、悲惨な状況を招いた。
目の前を横切った幼稚園バスが、見事に俺に水しぶきを浴びせた。
夢と園児を乗せた、あの幼稚園バスが、だ。
俺は釈然としない、裏切られたかのような思いで、駐輪場へと向かった。
「俺にはお似合いの格好か…。なぁ?相棒。」
鞄へと呟いた。
俺もあいつもずぶ濡れだ。
初めの授業は軽く聞き流す。
俺は次にテストが控えている。
そしてテストの科目。
先生が配る問題に、俺の目が見開く。
狂ったように動き続ける俺のシャープペンシル。
激しい筆記問題の応酬だった。
すべての問題を解き終えたとき、俺の右手は既に使い物にならなくなっていた。
「とんだヘマをやらかしちまったぜ…。」
自分の言葉とは裏腹に、俺は落ち着いていた。
危機的状況は、朝から何も変わってはいないのだから。
昼休み。
一人孤独に弁当を貪る。
この休みは休みであって休みではない。
今日はやらなきゃあいけねぇことが多すぎる。
一人の男が俺に向かって歩いてきた。
ジェノバだ。
「シンラ。おめぇさん、そんな体で大丈夫なのか?」
「あぁ。俺は、俺のやれることをするまでよ。」
「フ…あんたってやつは。」
ジェノバは一つ笑みを浮かべてさっていった。
レポート。
午後1時15分〆切。
まだ何も書いちゃあいない。
俺は震える手でペンを取り、レポート用紙に数文字書き込んだ。
「わかりません。」
全力を尽くした俺に、後悔などなかった。
午後の授業も聞き流し。
プレゼンへと備える。
発表原稿などない。
パワーポイントも1時間もかけていない手抜きだ。
だが、やるしかない。
全てが白紙のまま、俺の発表は始まった。
飛び散る汗、振り上げる拳。
俺は力の限り説明しつくした。
終わったとき、俺には余裕すらあった。
先生が去り際、俺に声をかけた。
「よかったよ。」
「礼にはおよばないぜ…。」
そう言って俺は倒れた。
俺がその日、最後に見たのは綺麗な青空だった。
※この物語は50%フィクション50%現実です。
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